ステッキに使用される主な銘木一覧
名 称 | 主な産地 | 特 徴 |
---|---|---|
スネークウッド | 南米 | 幹の太さは直径20センチ位までしか太くならず、硬く加工は困難ですが、磨くと蛇の鱗の様な模様が現れるのが名前の由来です。 ステッキ材では最も高価で、スネークウッドで作られた杖・ステッキは最高級品とされています。 |
パウサンドウッド | 南米 | 現地では『神の木』とも呼ばれ、古くから貴重なものとされています。 杖・ステッキへの加工直後は薄茶や鶯色ですが、 そこから経年で漆黒、または緑色へと変化します。 非常に重い木材としても知られています。 |
マラッカ籐 | インドネシア | 熱帯地方の森林に自生し、幹に枝はなく節は竹に似ています。 非常に軽く、一節の間が長いものほど良いものとされ、杖・ステッキに使われる120センチ以上のものは非常に少ない稀少材です。 |
黒檀 | 東南アジア | 高級唐木の代表格。 深黒色で、ステッキだけでなく、高級家具などの材料としても有名です。 材質が硬く、杖・ステッキへの加工は非常に困難ですが、出来上がった製品は非常に綺麗な木目を持つことが特徴です。 |
紫檀 | 東南アジア | 黒檀同様、高級唐木の代表格。 材質は硬く、色は薄い褐色から紫色なものまで多彩です。 この紫檀材は現在、輸入が厳しく制限され、非常に入手が困難となっています。 |
鉄刀木(タガヤサン) | 東南アジア | 材質には黒と紫の2種類があります。 非常に硬く、杖・ステッキへの加工は困難ですが、磨かれた製品の杢目は大変美しく、また黒から茶のものは本タガヤサンと呼ばれ、これは黒檀・紫檀と共に三銘木と呼ばれています。 |
かりん | 東南アジア | 高さ20メートル、直径1.5メートルに達する落葉樹で、きれいな赤褐色をしています。 紫檀系の樹木ですが、紫檀より木目は粗くなっています。 |
ボコーテ | 中南米 | 別名:黄金檀とも呼ばれ、黄色地に黒の縞模様は、木材の中でも珍しい杢目とされています。 その堅牢さから杖・ステッキだけでなく、古くより家具・仏壇素材として重宝されています。 |
ウォールナッツ | 欧州 | クルミ科の広葉樹で、木目が美しい為、杖・ステッキとしてだけでなく古くから高級家具材に使用されています。 また、衝撃に強いことから銃床部材としても重用されています。 |
ヘーゼルナッツ | イタリア | カバノキ科セイヨウハシバミの落葉低木。 英国では古くから杖・ステッキ材の他、釣竿、柵材などにも用いられ、住宅を落雷から守る、不思議な力があると伝えられています。 |
チェストナッツ | 欧州 | 栗の木を英語名でこう呼びます。 木質にはタンニンを多く含み、腐りにくく、虫害に強い特性を持つ為、古くから杖・ステッキをはじめ、住宅の柱材、鉄道の枕木など、さまざまな木製品に使用されています。 |
ジネストラ | イタリア | マメ科低木のイタリア語名で、英名はブルームウッドと呼び、共に『箒(ほうき)』を意味する名前です。 古来ヨーロッパでは、魔女がこの木で作った箒に跨り、空を飛んだという伝説があります。 ジネストラで作った杖・ステッキは、なんともいえない不思議な魅力があります。 |
パープルハート | ブラジル | 別名:バイオレットウッド。 マメ科の広葉樹で、伐採直後の心材は褐色ですが、大気に晒されるうちに紫色へと変化します。 織物用の染料が採取されることでも知られています。 |
サントスローズウッド | ブラジル | マメ科の広葉樹で、その心材には木目に沿って褐色の縞を持ちます。 木質は重厚ですが木肌は美しく耐久性があるため、杖・ステッキ材の他、ギターや家具などにも使用されています。 |
リグナムバイタ | 中南米 | ハマビシ科の広葉樹。 摩擦によって『ガヤック』と呼ばれる樹脂を出す特性から、シャフト材などに使用されていました。 経年で深緑色に変化する珍しい木材で、日本では『緑壇』とも呼ばれています。 |
キルテッドメイプル | カナダ・北米 | キルテッド(鱗状)と呼ばれる、美しい独特の杢目を持つカエデ類の総称です。 軽くて加工しやすいのが特徴で、杖・ステッキ材の他、高級ギターの木材としても有名です。 |
名 称 | 主な産地 | 特 徴 |
---|---|---|
アッシュ | 北米 | トネリコ属の広葉樹。 加工性に優れ、杖・ステッキ材の他、建築家具・楽器・運動具など、幅広い用途を持っています。 |
マスールバーチ | 北欧 | カバノキの一種ですが、その独特の美しい杢目が、近年人気となっています。 これは樹が成長する段階でついた傷(虫食いなど)を自己修復しようと出した、樹液の跡が残ったものです。 |
ブライヤー | 地中海沿岸 | 地中海沿岸に自生するツツジ科の木の根(瘤)で、杢目が非常に美しく、おもにパイプの高級材や、万年筆の軸として使用されています。 |
オリーブ | 北米 | その実が広く知られていますが、木材はクリーム色の滑らかな質感が特徴です。 |
楓(メープル) | 日本・北米 | 材質は軽く、木目が粗いものの、強度・耐久性があります。 |
ツゲ | 日本 | 材質は黄褐色で、手触りの良い木材です。 印材・版木・将棋の駒などに利用されています。 とくに御蔵島産のものは『島ツゲ』と呼ばれ、最高級品とされています。 弊社は1983年ごろ、この最高級のつげ原木を使い、昭和天皇に献上するステッキを製作しました。 |
樫(オーク) | 日本 | 日本のステッキで代表格の材料。 材質は非常に丈夫ながら加工に優れ、実用的です。 また古くから武具や大工道具の素材として使われるなど、日本人には馴染み深い木材です。 |
ケヤキ | 日本 | 高さ50メートルに達する大木を製材した物を使用します。 耐久性も良く、縦に入った斜め縞の杢目が特徴です。 また、神社仏閣の建材として使用されることでも有名です。 |
寒竹 | 日本 | 孟宗竹の竹根を加工したものです。 より硬く、節の数が多いほど高級品となりますが、近年では材料の入手が一層難しくなってきています。 |
朴の木 | 日本 | 材質は硬く、下駄の歯等に使われています。 また水に強く手触りが良いため、まな板や日本刀の鞘にも用いられています。 |
タモ | 日本 | 独特の美しい杢目は、ケヤキと並んで好まれる、日本の伝統木材です。 硬く反発のある木質は、スポーツ用品の部材としても用いられています。 |
栃(マロニエ) | 日本 | 木質はやや軽軟ですが、その木肌は緻密で、『縮み杢』と呼ばれる木目が出ることで知られています。 これはリップルマークと呼ばれ、特に珍重されています。 |
さくら | 日本 | 日本の象徴ともいえる落葉広葉樹。 加工性、着色性に優れ、磨くと美しい光沢が出ます。 |
ミズメザクラ | 日本 | 『水目桜』と書き、若いときの樹皮が桜に似ているため、この名がつきましたが、実際はカバノキの一種です。 木質は重厚で硬く、和弓の材料にも用いられた良材です。 |
黒柿 | 日本 | 非常に人気のある杖・ステッキ材のひとつです。 渋柿の古木が長い年月をかけ、土中の鉄分や雨水、微生物といったものの影響を受けて、中心部から黒く変色が現れた物を『黒柿』と呼びます。 杢目の出方によって様々な呼び名があります。 |